鉄道模型工作実験室

Nゲージ鉄道模型に関する工作や実験を行っています。

Nゲージ鉄道模型における列車の加速力を観察する

RTMRW

 客車や貨車を連結した重い列車を、機関車がよいしょとばかりに出発して様子は、模型でも楽しみたいシーンです。そこで、この時の機関車の引張力に注目して実験してみることにしました。

 この機関車の引張力と加速力の関係は、鉄研の資料より無断掲載したものを下に示します。

       

 電気機関車の引張力は、低速域では定トルク制御を実施し、その後は定出力制御に移行するので、イラストのような引張力のカーブを描きます。しかし、鉄道模型の場合は一般的には電圧制御を実施しているので、似ているものの異なる特性を示します。動輪の滑走領域では、スリップ状態のままで制御無しの状態なのです。

 そこで、次のような実験装置を作って、実験・観察を実施しました。

 機関車の牽引力は、滑車付きのロードセルを使い測定しました。料理用の秤などで使用しれている片持梁の歪を計測するユニットで、100グラム用を使用しました。慣性負荷は、フジキング製の重量戸車60ミリを用い、その上に鉛の重りなどを追加して慣性力を高めています。

 列車の速度は、ロータリエンコーダを自作し、牽引している糸をからめて走行距離を測定し、計算によって速度を算出するようにしました。ロードセルやエンコーダ、および供給電圧と電流は、Arduinoによってデータを処理してパソコンに取り込むようにしました。

1)実験その1

 最初に、供給電圧を徐々に上げていきながら引張力と速度を求めました。ゆっくりと加速したので、加速力はゼロと見なし、この時の引張力は負荷側の抵抗と断定しました。

2)実験その2

 今度は、パワーパックのダイヤルをある位置に設定しておき、フリー状態の機関車をヨーイドンにてスタートさせました。要するにステップ応答により、引張力と速度の過渡応答を観察しました。ダイヤル位置をいろいろ変えて実験し、さらに電源もいろいろなタイプで実施してみました。

3)データのまとめ

 取り込んだデータをExcelにて処理してグラフ化しました。その結果を下に示します。

    

 D10の位置(ダイヤルを10時の位置に設定)ではやっと動き出し状態でしたので、すぐに一定速度になっています。D4などの位置では、狙いどうりに滑走領域と粘着領域の特性を示しており、負荷特性と交差するポイントが一定速度に達した状態を示しています。

 この機関車の引張力と負荷抵抗の差が、列車を加速させる加速力ということになります。

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 このようにして加速力を観察することが出来ましたが、その走行状態を見ていても面白くありませんでした。動力車をSLのC57号機に替えて走らせてみました。シリンダ排水弁からの白い蒸気は無理としても、動輪が時々空転する様子はダイナミックでありSLの魅力のひとつですが、これが再現できないのです。

 ロッドの動きを見ていると確かに動輪は空転しているのですが、機関車はするすると加速していき、なんら面白みがありませんでした。

 やはり、動輪は、ドド・・! ドド・・!とイレグラーに回転しなければ迫力は出ませんね。

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 なお、実験の様子については下記のホームページを参照してください。

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