鉄道模型工作実験室

Nゲージ鉄道模型に関する工作や実験を行っています。

直線線路を使った特性測定装置の検討

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測定方法の確認のためにテスト装置を工作しました。狭い工作室の作業台の上で実験できるようにしている。まず、装置の全体を下に示す。

場所が狭いため装置全体の姿が写せませんでした。そこで撮影のために場所を移動させました。

動力車のカプラー部分に作用する引張力は、糸を使って、滑車を経て上方に引張り、棒の先に設けたもう一方の滑車を介して下に引っ張るようにしている。その糸の先には、紙製の籠を取り付けて重りを載せるようにしている。重りは、料理用の秤を使って籠と一緒にその重さを測ることが出来るのだ。測定単位は0.1グラムまで読み取れるのである。


肝となる車速計測部は、簡易速度計測器 BeeSpi (ビースピ)を使用する。 高さが少し不足するので、木片を使って嵩上げしている。

車両が通過すると、その時の速度を素早く表示してくれるのだ。このビースピは赤外線ゲートを使用しているもので、学校の実験室なので多く使われているそうである。Nゲージ鉄道模型の速度計測にはピッタリであるが、よりサイズの大きなHOゲージ等の車両の場合は、車両の横に腕状のビームカッターなどを取り付け、その部材を通過させるようにすれば応用できると考えられる。

線路への給電はKATO製のパワーパックを使用した。

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前進時は、負荷に抗って進むので駆動状態での引張力と速度の関係が測定できます。しかし、負荷に引っ張られながら進む制動状態を測定する場合には工夫が必要です。

重りを利用する負荷方法のために、力の方向が変更できませんので、車両の向きを変えて反対方向に走行させて測定します。

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このプロジェクトの詳しい報告は、下記のシリーズにて実施しています。

こうして始めたプロジェクトですが、いろいろな問題が噴出し、何とか測定できるようになりました。途中経過を飛ばして、下記のレポートご覧ください。

さらに、手持ちのいろいろな車両について、測定を実施して行きます。

直線線路を使った特性測定装置のアイディア

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先回、「Nゲージ鉄道模型における列車の加速力を観察する」にて、慣性負荷による特性測定を報告した。でも、測定実験としては面白いが、鉄道模型の工学的観点からすると不満である。

これは、鉄道模型の特性を理解するための実験として、過渡応答による動特性の測定では多くは語れないからである。やはり静特性による観察結果の方が優れていると判断出来るのだ。例えば、

の特性からは多くの特徴が読み取れるのである。その内容については「特性線図から何が読み取れるか」に記述しているので参照してください。

このような特性を測定するためには、慣性負荷による過渡応答では無理なのである。静特性として測定できるように、今まで測定装置をいろいろ工夫してきたが、簡単に実施出来る方法を模索した。

そのアイディアを下に示す。

これは、直線の線路を使って往復走行をさせ、その時のスケールスピードと引張力と同時に、供給電圧と電流を同時に測定しようとするものである。

長所としては、直線線路を往復させるのみなので、装置全体がコンパクトに出来る事と、Nゲージ以外の大きなサイズにでも応用できる事である。

欠点としては、往復走行をさせるために断続的走行となること、測定作業が面倒であることなどがである。

なお、負荷として吊り上げる高さが足りない時は、動滑車を使って工夫すれば良いのである。重りは重くする必要があるが、引っ張る長さが長くなるのである。

Nゲージ鉄道模型における列車の加速力を観察する

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 客車や貨車を連結した重い列車を、機関車がよいしょとばかりに出発して様子は、模型でも楽しみたいシーンです。そこで、この時の機関車の引張力に注目して実験してみることにしました。

 この機関車の引張力と加速力の関係は、鉄研の資料より無断掲載したものを下に示します。

       

 電気機関車の引張力は、低速域では定トルク制御を実施し、その後は定出力制御に移行するので、イラストのような引張力のカーブを描きます。しかし、鉄道模型の場合は一般的には電圧制御を実施しているので、似ているものの異なる特性を示します。動輪の滑走領域では、スリップ状態のままで制御無しの状態なのです。

 そこで、次のような実験装置を作って、実験・観察を実施しました。

 機関車の牽引力は、滑車付きのロードセルを使い測定しました。料理用の秤などで使用しれている片持梁の歪を計測するユニットで、100グラム用を使用しました。慣性負荷は、フジキング製の重量戸車60ミリを用い、その上に鉛の重りなどを追加して慣性力を高めています。

 列車の速度は、ロータリエンコーダを自作し、牽引している糸をからめて走行距離を測定し、計算によって速度を算出するようにしました。ロードセルやエンコーダ、および供給電圧と電流は、Arduinoによってデータを処理してパソコンに取り込むようにしました。

1)実験その1

 最初に、供給電圧を徐々に上げていきながら引張力と速度を求めました。ゆっくりと加速したので、加速力はゼロと見なし、この時の引張力は負荷側の抵抗と断定しました。

2)実験その2

 今度は、パワーパックのダイヤルをある位置に設定しておき、フリー状態の機関車をヨーイドンにてスタートさせました。要するにステップ応答により、引張力と速度の過渡応答を観察しました。ダイヤル位置をいろいろ変えて実験し、さらに電源もいろいろなタイプで実施してみました。

3)データのまとめ

 取り込んだデータをExcelにて処理してグラフ化しました。その結果を下に示します。

    

 D10の位置(ダイヤルを10時の位置に設定)ではやっと動き出し状態でしたので、すぐに一定速度になっています。D4などの位置では、狙いどうりに滑走領域と粘着領域の特性を示しており、負荷特性と交差するポイントが一定速度に達した状態を示しています。

 この機関車の引張力と負荷抵抗の差が、列車を加速させる加速力ということになります。

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 このようにして加速力を観察することが出来ましたが、その走行状態を見ていても面白くありませんでした。動力車をSLのC57号機に替えて走らせてみました。シリンダ排水弁からの白い蒸気は無理としても、動輪が時々空転する様子はダイナミックでありSLの魅力のひとつですが、これが再現できないのです。

 ロッドの動きを見ていると確かに動輪は空転しているのですが、機関車はするすると加速していき、なんら面白みがありませんでした。

 やはり、動輪は、ドド・・! ドド・・!とイレグラーに回転しなければ迫力は出ませんね。

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 なお、実験の様子については下記のホームページを参照してください。