作成中の登山鉄道レイアウトには、自動運転システムが組み込まれています。今回はその構成を説明します。まず、対象となるレイアウトは、72×60cmの小さなサイズの台に高低差のあるパターンを組んでいます。
線路のレイアウトを単純な図形にすると、右のイラストの様に、行止まりのレール端が4ヶ所ある配置で、二つのポイントの切替と給電方向の切替で、色々な折り返し運転が実施できるようになっています。そして、ここには最大3編成の電車を走らせる運行ダイヤを組むことができます。四つあるホームの中の一つだけ空いたホームに向かって順繰りに走行させるのです。
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ここで、ホーム1は頂上駅から降りて来た電車の到着ホームとし、ホーム2は頂上駅に向かう電車の発車ホームとします。ホーム1と2,および待機線にそれぞれ電車が停車している状態をスタート状態とします。頂上駅が空いた状態です。
そこで運行ダイヤは、
- ホーム2から頂上駅へ
- 待機線からホーム2へ
- ホーム1から待機線へ
- 頂上駅からホーム1へ
の運行をひとつのパターンとすると、スタート時点で停車していた電車が全て入れ替わることになります。そしてこのパターンを3回繰り返すとで電車の位置は最初の状態に戻ります。
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- ます、自動運転させるために、いろいろな要求事項を考えておきましょう。
- 自動運転と共に、手動操作も出来るようにしておくこと。
- 自動運転の開始は、自動/手動スイッチを自動に切替えることによってスタートすること。
- 自動運転の場合、上記のパターンを3回繰り返したワンユニットのシケンスが終了し時点、即ちスタート時と同じ状態になった時、自動/手動スイッチの設定に従って、自動運転の終了か継続かを判断させる。
- 最大で3編成の電車を自動運転させることが出来ること。
- 勿論、1編成の場合でも、自動運転が出来ること。
- 走らせる電車の種類によって個別に速度調整が可能であること。その電車の個別認定は、自動運転スタート時の停車位置によって区別するものとする。
- 登坂時は力が要るのでやや早めに、降坂時は速度を押さえた設定にすること。
- ホームへの入線時は速度を押さえて進入すること。
- 運転状態が分かる表示パネルを設けること。
- 手動操作の場合は、ポイントの選択と進行方向の選択を実施する。進行方向選択は中立状態を設けて停車指令とする。
- 手動操作の場合の速度調整は、一つの調整ダイヤルのみを有効とし、同時に1編成の電車しか走行出来ないこととする。
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次にレイアウトに組込んだ制御機器について説明しよう。まず、レールパターンの中心部を下に示す。電動ポイントは作動の信頼性を重視してKATO製のポイントを組込んだ。そして、二つのポイントの間に給電ターミナルを設定した。そして、街灯風のLED投光器の光をレールに組込んだCDSセンサにて、電車の通過をセンシングします。
頂上駅の入場分にも同様なセンサを設置しています。4ヶ所のレールエンドには専用のセンサを組込んでいます。このレール止めは、TOMIXのエンドレール、品番1423 を参考にして自作したものです。牽引力が非力なBトレでも確実に作動するように、平行リンクで構成したレバーとマイクロスイッチを組み合わせており、ホーム内に入った電車への通電を遮断するものです。さらに、到着信号用にフォトリフレクタ式のセンサも組み込んでいます。
電車の衝突エネルギーは、リンクを介してマイクロスイッチのバネ力で受け止めるので、エネルギー吸収は充分ではありません。このため、入場時には充分に速度を落とす必要があります。それでも衝突のショックで電車が飛び跳ねて脱線しますので、脱線防止のレールガードを設置しています。
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運転の操作盤は、レイアウト台の右手間の角部に設置しました。
操作スイッチと速度調整用のボリュームツマミを配置し、運行状態を表示するパネルも作りました。
表示パネルは基板の上にチップLEDを取り付け、プラ板を加工して表示部を作っています。また、路線図には右半分にも線路が延長し、その端には二つのホームが描かれています。これは、レイアウトを右側に追加拡張予定で進めたいたため、その路線を想定して描いたものです。
操作盤の裏側の配線の様子です。中央の四角窓からは表示パネルの配線を通します。
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レイアウト台の裏側にはいろいろな制御機器類を詰め込んでいます。表示パネルのLEDを制御させるため、多くの出力ポートが必要となったので、マイコンはArduino MEGAを使用しました。
電源はArduinoのための9ボルト用と、走行用給電やポイント駆動のための12ボルト用のACアダプラを入力させます。さらにセンサ等の電源のため、9ボルト系から定電圧ユニットを使って5ボルトに落として供給しています。
制御基板は、12ボルト系の駆動ユニット(左の写真)と5ボルト系の制御系ユニット(右の写真)を作りました。
各センサやポイントなどへの配線は相変わりずのゴチャゴチャであり、分解再組付け時に接続先を迷わない用ラベルを付ける様にしています。
なお、工作内容や回路図の詳細については、鉄道模型工作実験室の下記の目次を参照してください。
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ハード回路が出来たので、次はソフト関係を説明します。