鉄道模型工作実験室

Nゲージ鉄道模型に関する工作や実験を行っています。

ループを描くアーチ橋を作る

わが「物置部屋のレイアウト」の登山鉄道ユニットに造作されていたループを描くアーチ橋は建築工学的、いや一般常識で考えてもおかしな形状でした。このユニットのメイン構造物の一つですが、気になりだすと・・・・やっぱり解体して新しく作り直すことにしました。


ループを描くアーチ橋として有名なのが、スイスのレイティッシュ鉄道のブルージオの橋が有名です。世界遺産にもなっています。アーチ橋であっても橋脚部分の長さが短いため、アーチ部分は直線状に作られています。この構造を参考にし、かつ独立した登山鉄道レイアウトを作ることにしました。


Google のストリートビューを使ってブルージオ橋の様子を見てみると、世界遺産だけあってストリートビューにて詳しく観察することが出来た。橋の周辺の様子や、橋のたもとからの眺めなど、欲しい情報を得ることが出来た。しかし、レンガ製とばかり思っていたのだが、使用されているのは全て自然石でした。これを模型で表現するのは自分の技量では無理であると即断し、レンガ色の橋にする事を決めました。


まず、厚さ1.0mm のプラ板を用いてカーブするアーチ橋の内側と外側の壁面を作り、厚さ 30mm のスタイロホームを挟んで接着しアーチ橋の形を作った。その上にTOMIX のレールを乗せてフィット具合をチェクした。その状態を下に示す。

 

そして、新しく作っている登山鉄道レイアウトに設置した。ユニット全体は、ループを描く橋とトンネルによって1回転半回って登坂して行く構成である。

 

正面に鎮座するループ橋をレンガ色に塗って仕上げた。

 

走行テストも実施して問題無い事を確かめた後、周りの地面作りを実施し、架線柱なども配置した。

 

この工作の詳細は、鉄道模型工作実験室

の中の新登山鉄道 その1とその2を参照ください。
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このレイアウトは、アーチ橋がメインテーマであるが、もう一つの目的は自動運転システムなのである。この自動運転のためのセンサや関係する機器類も同時に工作しています。

 

次回は、そのシステムを紹介しましょう。
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Processingを使ってモニタ式の操作盤を作ろう

卓上レイアウトの鉄道模型をパソコンから制御するため、パソコンのWebブラウザからラズパイのGPIOをWEbIOPiを使って遠隔制御したが、PWM制御のキャリヤ周波数が50Hzなので走行がギクシャクするなど、課題も抱えていた。このための対応策をいろいろ模索してきたが、一つの解決策として、Processingを使った方法を検討した。


この方法は、パソコン上にProcessingによって操作画面を表示させ、その操作情報をUSBのシリアル通信によってArduinoに送信する。すると、今まで実施してきた方法を使って鉄道模型の運転を制御させることが出来るのである。さらに、PWM制御のキャリヤ周波数も20KHzに設定できるのだ。この方法は、拓啓ぽんさんの鉄道模型アーカイブである「鉄道模型」(https://tkp273.web.fc2.com/mokei/index.html)を参考させていただきました。このサイトは、最終更新日は、2016/1/11 となっており、その後の更新はありません。


今回、Processingを使って構成した操作画面を下に示します。

運転台だけでなく、ポイントや信号機の操作も実施出来るような配置にしています。ポイントは画面左下に手動転轍機の図柄を設け、ボタンをクリックすることによって、定位で青の円盤、反位で黄色の矢羽根形の図柄に取り換える細工を実施した。

また信号機は、青と赤の信号はボタンのクリックによって点灯させるようにしている。そして、画面の右下にはホーンや汽笛などの警報類のボタンも配置した。


運転台には右端にブレーキ操作も兼ねたワンハンドルマスコンを配置し加速やブレーキ操作を可能としている。さらに、緊急停止ボタンも配置した。速度計は横にスライドする方式とし赤い針が動くようにしている。そして中央に現在の時刻を表示する懐中時計も設置した。


また、走らせるモデルによって走行具合が異なるので、走行性能を8種類に分類したレンジを設けて選択できるようにしている。さらにスタート特性を調整できるように微調整ハンドルも設けた。
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こうした操作画面の情報は、シリアル通信を通して運転制御を実施するArduinoに送信され、卓上レイアウトの制御機器を作動させている。その様子を下にしめす。

この制御システムの開発経緯は、鉄道模型工作実験室の下記の目次を参照してください。

また、使用したArduinoやProcessingのスケッチも紹介していますので、参考になれば幸いです。


そして、USBによるシリアル通信を無線を使うことが出来れば遠隔操作が可能となるはずですが、その方法を知らないので諦めています。
また、Processingのプログラムの記述方法は、Arduinoと共通点が多く、画像処理部分の記述を少し習得することによって、問題無く記述することが出来ました。
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スライダのデザインを変える

ラズパイを使用したモニタ式の鉄道模型操作盤について、先回、それらしきものを作ったが、スライダの部分に不満があった。そこで、新しく自作したので紹介しよう。

    

マスコンのようなレバーを使う方法もトライしたがうまくいかず、メータ方式にしている。この工作内容は、例によってわがホームページにて報告しているので参照ください。


■ 問題点
今回作成した方法は、大きな問題も無く使用できるが、次の問題点を抱えているので報告しておきます。

  1. PWM制御のキャリヤ周波数が50Hzでは、やはりすこしギクシャクする。コアレスモータ動力車では問題ないものの、通常モータでは問題が残る。
  2. 使用している webiopi ライブラリーは、すでに開発が止まっていおり今後の改良が期待できません。このため、ラズパイが進歩しても、旧式なアプリとなってしまって、おそらく追っつかないだろう。

モータをスムースに動かし、かつ可聴域外にするためには、キャリヤ周波数を20kHz程度までアップしなければならない。しかし、webiopi ではソフト上でPWM信号を作成しているため、周波数を高くすることが不可能である。50Hz固定なのだ。ハード的方法として WiringPi もあるようだが、これも古いソフトなのだ。


■ 新しいWebサーバーソフトと高周波PWM制御が可能なGPIO制御ソフトを探す
そこで、折角なら、Webサーバーソフトである webiopi も含めて、最近の新しいソフトを探したが、その候補がウヨウヨ出て来て、どれがどうか素人にはさっぱり分から無いのである。そこで、色々なソフト、アプリ、ライブラリーと言った名目で出て来た名前をリストアップしておきますので、このキーワードを頼りに、自己責任で検討してください。(無責任ですが、ご容赦下さい。)


■スマホ用のアプリ

  • Blynk スマホからwi-fi を使ってラズパイやArduino を制御できる。ラズパイのGPIOを制御できる。しかし課金制である。

■ GPIO制御用ライブラリー

  • pigpio 新しそうなライブラリーで、0~30MHzの周波数設定が可能。

■ Webサーバー用
ラズパイはLinax 系ソフトなので、ウヨウヨ出てきます。どれが最適なのか、自分には判断できませんが、情報の記述日が新しいもの、軽量小型のもので、GPIO制御に向いていそうなものを探したのですが・・・。

  • Apache 超有名なWebサーバーソフト。本格的サイト運営用なり。C10K問題あり。
  • Nginx  C10K 対応だそうです。
  • Djask、Tornado、CherryPy、Pyramid、Grok、Web2Py、lighttpd、その他多数
  • Flask 軽量化したフレームワーク
  • Bottle もっともシンプルなフレームワーク
  • Node.js Javascriptで記述可能

いろいろ探す中で、webiopi とか WiringPi の言葉が出てこなかった事に、やっぱりという感じを受けました。また、先回報告したスライダ部分は jQuery で記述されているようですが、この jQuery はもう歴史的遺物みたいだとの記述もあり、この分野のソフトの変遷は早いことに思い知らされました。
Flask と pigpio や、Node.js と pigpio の組合せも検討してみたいし、IoT ジャンルでのアプリの使われ方も参考になるかもしれないのですが、もう気力がありません。
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自分の挑戦には限界があるので、ただ指をくわえて見ているだけにしよう。いや、満足に見ることも出来ないので眠ってしまうことになるだろう。